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​造形/インスタレーション

​隔離[Sanctuary] (2021)

修士作品のプロトタイプ。Rhinocerous/Grasshopperでモデリングした鳥居の型と骨組みを3Dプリントし、寒天培地を流し込むことで立体にした作品。「隔離」とは「聖」の語源で、この作品ではDIYで制作したクリーンボックスによって科学的に隔離された清潔な空間を「聖域」とし、内部に設置された寒天培地の鳥居で菌が繁殖するかどうかを観察する。現代科学的に基づく「清潔」と呪術的「聖潔」の混乱を表現。

​孤立規範[Isolated Norms] (2021)

「隔離」から発展​させ、修士作品として制作。防菌カーテンの回廊を進むと、制作者の強迫観念と、その克服のための儀式を経験する。消毒用ディスペンサーをアルディーノによって8回噴霧するように改造した儀式装置や、神社をモチーフにした祭壇によって、科学的思考と呪術的思考のコンフリクトを表現し、日本における呪術的規範と作者の内面的な穢れ観念を対比し、祭り上げている。

​分離[Separation] (2021)

排泄物を用いて造形された手の像。微生物相の遷移による堆肥化のプロセスを経て分解される様子をタイムラプスで撮影することを試みた。分解者としてキンバエのウジとシマミミズが、清浄化を測るための指標として二十日大根やスプラウトの種子が埋め込まれている。

輸穢[Injection] (2021)

トルソーと点滴袋を組み合わせたインスタレーション/パフォーマンス。潔癖症である作者にとってのトラウマである「穢れた物品」の写真が混入した点滴袋から、自身に見立てたトルソー内部に液体が注入され、内部のポリマーと反応する。医療行為を模すことで現代医療器具を呪術的に利用し、穢れのイメージを取り込むことによって恐怖を克服する自己治療を行う。

環境デザイン

​Gion Triangle (2018)

京都・祇園広場の設計案。日本古来のオープンスペースである境内のように木に囲まれた空間と、現代の広場の原型である古代ギリシャのアゴラを取り囲む柱廊の要素を抽出し、現代風に置き換えたゲートによる空間を混ぜ合わせた。自然物と人工物の入子構造をコンセプトにしている。

Sandwich house(2016)

ル・コルビュジェのサヴォア邸から着想を受けて制作した建築作品。二つの建築によって中央のガラス空間が挟まれて おり、中央の階段でそれぞれの部屋を行き来する。

望天館(2018)

京都造形芸術大学キャンパス内の望天館建て替え案。京町屋をデザインのベースにしているが、自由な造形を意識した。積み上げられた部屋は教室として利用される。また、山中に建てられた大学ならではの動線も特徴のひとつ。大空間は広場や屋外カフェとして活用できる。

​JUCKUP (2018)

レストラン設計案。コンピュータで制御された油圧ジャッキを用いて床のパネルを押し上げる。グリッドのどのパネルでも押し上げることが可能で、これによりフレキシブルに座席を組み上げることができる。可動のパラソルやカーテンによって個室/半個室状態も設定することができる。

​Cafe Fossil (2017)

京都現代美術館1Fのカフェ設計案。テーマは化石。肋骨のような照明付きのオブジェと、細胞をイメージした座席を組み合わせた。

​集合住宅 (2017)

グループ制作。コンセプトは公園のような集合住宅。建築・インテリア・ランドスケープ・まちづくりの全領域を横断する課題。私はリーダーとしてグループの役割や制作方針をまとめながら、ランドスケープデザインを担当した。デザインの特徴として、重層的に役割が異なる庭(開放された庭、入居者の共有の庭、各家庭のための庭)が接続されていくことが挙げられる。また、道の側端の模様は徐々に立ち上がっていき中央付近でベンチに変わる。

​Street Poetry (2019)

詩を書き、ラベルライターを用いてその場で印刷し、街に貼っていく作品。京都大学の立て看板撤去問題と、街に溢れる宣伝文句の言葉のシャワーという相反する二つの状況に対峙し、「都市が許容する言葉と、排除する言葉の違いは何か」という疑問が生じた。田村隆一は、「詩やトランプ遊びというルールやロゴスの自由を保証する共同体こそが真の都市であり、詩人と都市が有機的に結びつくことがない、経済効率と情報だけが支配する“都市”は“都市化現象”に過ぎないのだ」という言葉を残している。建築デザインだけではこうした問題を解決することは不可能だと考え、詩という形で制作した。写真集として卒業制作展に出展し、奨励賞と審査員特別賞を受賞した。

データビジュアライゼーション

コロナウイルスの感染者数に応じて国の色が変化するデータ可視化作品。​M5Stackの6軸センサーと連携し、回転させることで日付の変化のインタラクションが行える。

​データビジュアライゼーションの試作。世界6地域の人口データに応じて風船に入れる空気のプッシュ回数を決め、世界の人口増加を表現した。

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